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短
い
永
遠
の
物
語
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第34回 高崎映画祭
招待作品
MOOSIC LAB 2018
長編部門作品
大阪アジアン映画祭
インディ・フォーラム部門
海辺の町を舞台に描かれる
次世代の青春群像劇
高校生の由紀は平穏な日々を過ごしていた。ある日、中学からの同級生の綾が由紀に引越すと告げた翌日に突然亡くなる。綾の死をきっかけに、クラスメイト達の人間関係にも思わぬ波紋が広がり、由紀は周囲から距離を置かれるようになるが…。
海辺の町を舞台に美しい映像で切り取られた、次世代の青春群像劇。
新進気鋭の若手監督を輩出し続ける音楽と映画の祭典MOOSIC LAB(ムージック・ラボ)の長編部門作品として制作された本作。監督を務めるのは繊細なタッチで儚く美しい映像を紡ぐ女性監督・石橋夕帆。原作はTwitter・Instagramで若い世代から圧倒的な支持を得ているイラストレーター・ごめん。主演に注目の若手女優・芋生悠と祷キララ。出演に平井亜門、こだまたいち、日高七海、夏目志乃、白戸達也、石川瑠華といった豪華俳優陣を迎える。
MESSAGE
あの頃、3年間という短い月日の中で、私たちは確かに永遠を感じていました。友達、好きな人、先生、家族、そして自分。目には見えない狭い箱の中で、誰かの顔色を伺いながら、上手に、不器用に、ぐるぐると日々を繰り返していくその一人ひとりを、この映画は決して馬鹿にしない。だからこそ残酷で、美しくて、優しいのだと思います。
その中で誰かがいなくなってしまうことも、きっと日常のほんの一部に過ぎないけれど、その一瞬、何かが少しでも変わる一瞬を、どうか劇場で見届けてください。
– ごめん(原作)
公開が近づいていて、もうすぐ皆さまの元へ届くと思うとドキドキしています。
石橋監督やスタッフさんキャストさん方が素晴らしく、沢山の財産を貰った作品です。
私と同い年くらいの生まれたての社会人、たった今学生の子達、青春ってなんだったっけって思っている大人達に見てほしいです。
ぜひ劇場で。
– 芋生悠(岸本由紀役)
学校が世界の中心だった頃に、見ていたものや考えていたことによって感じ方が様々に広がる作品だと思います。あの頃の世界の空気や音、匂いの中に、ご自身の胸の内で何かが小さく浮かんだり広がったりする瞬間を見つけていただけたら、幸いです。
– 祷キララ(瀬戸綾役)
自身が学生だった頃の事を思い返すと、教室の中には目に見えないルールがあって、誰かがハブかれていても傷ついていても黙認されるような空気があったように思います。しかしそれは決して特別な事ではなく、あの頃の私たちにとってただそこにある「日常」でした。そんな息苦しさを抱えながらも私にとってはあの時間が一番輝かしく、代え難い大切な時間だったのだと思います。
『左様なら』ではあの時間を、あの空気を、教室ごと描こうと思いました。置き去りにしたままだった想いを掬い上げるようにこの作品と出会って頂けましたら幸いです。
– 石橋夕帆(監督)
たったいちど生きて死ぬ。
「左様ならば仕方ない」と諦めとともに自分自身を励まし受け入れてきた私にとって、本作は生きることの哀しみも悦びも、決して拒まず、突き放しもせず、ただ寄り添ってくれるようで尊い。
きっと心の傷のひとつやふたつどうってことないと、意地を張ってひとりで泣いた少女の瞳が忘れられない。
-外山文治(映画監督)
高校時代を謳歌できた人には、もしかしたら響かないのかもしれない。
が、あの頃に何かしらのシコリを残す人であれば、響くものがきっとある。
身に覚えのある弱さや脆さやズルさや孤独を目の当たりにすることで、忘れかけていた感覚が甦る。
あの時間を経て、あの時間を誤魔化して、あの時間を割り切って、今の自分があるのだと理解する。
今思えば取るに足らないことでも、まだ幼かった心では、押し寄せる波の全ては受け止め切れない。
キャパオーバーを迎えれば、笑顔だって涙だって途絶えてしまう。
自分という人間の在り方を理解していく過程を、その際に生じる心の揺らぎを、10代のあの頃にしか体験し得ぬ刹那的な瞬間を、この作品は思い出させてくれると思う。
-ミヤザキタケル(映画アドバイザー)
自己という主体性の喪失、そして獲得──これを誰もがいちばん最初に体験するのは、教室という場、あるいはクラスという共同体でのことではないかと思う。冷徹であたたかな石橋夕帆監督のまなざしは、この「場」と「共同体」のすみずみにまで注がれ、〈監督〉と〈演者〉たちの関係は、〈世界〉と〈少年少女〉たちの関係とも重なる。監督のやさしさときびしさは、安易な感情移入など許してはくれない。
-折田侑駿(文筆家)
やっぱり石橋夕帆ってクレイジーだなと思った。いい意味で。
群像劇であそこまで一人一人のキャラクターを個性的に描けるって、ほんと妄想オバケだと思う。
うらめしや。オバケだけに。
-中川駿(映画監督/『カランコエの花』)
劇的誇張のない、静かで、緩やかで、日常的な会話の積み重ね。けれどその裏側で、事態は急速に、劇的に進行している。この表層と内面のギャップに、石橋映画を見ることのたまらない快楽がある。
-暉峻創三(大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター)
COMMENT
CAST
STAFF
石橋夕帆 (監督・脚本)
2015年、監督作品『ぼくらのさいご』が田辺・弁慶映画祭コンペティション部門に選出され映画.com賞を受賞、横濱HAPPY MUS!C 映画祭で音楽映像部門最優秀賞を受賞。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭、福岡インディペンデント映画祭など国内複数の映画祭に入選・上映される。2016年、テアトル新宿&シネ・リーブル梅田で開催された田辺・弁慶映画祭セレクション2016で監督作品の特集上映を行う。2017年、監督作品『水面は遥か遠く』がショートショートフィルムフェスティバル&アジアミュージック・ショート部門奨励賞を受賞。
ごめん (原作)
イラストレーター、漫画家。
生活とさびしさをテーマにイラストや漫画を描いている。
CDジャケットやweb漫画連載、書籍装画、MV脚本など、多岐にわたり活動している。
2019年2月、初の個展「エンドロール」を開催。
芋生悠 祷キララ 平井亜門 こだまたいち 日高七海 夏目志乃 白戸達也
石川瑠華 大原海輝 加藤才紀子 武内おと 森タクト 近藤笑菜 安倍乙 栗林藍希
田辺歩 武田一馬 田中爽一郎 本田拓海 高橋あゆみ 日向夏 塩田倭聖 タカハシシンノスケ
籾木芳仁 小沢まゆ 石本径代 竹下かおり 黒住尚生 中川慶二 松本明人(真空ホロウ)
綾乃彩 鈴木達也 田中一平 斉藤天鼓 山崎カズユキ 佐藤一輝 藤澤佑貴 佐川尚央 岸悠華 日下部一郎 永野翔
監督・脚本:石橋夕帆|原作:ごめん(「左様なら」)
撮影:萩原脩|照明:中島浩一|録音:柳田耕佑|美術:中村哲太郎|プロデューサー:田中佐知彦
ヘアメイク:ほんだなお、藤原玲子、夢月、安藤メイ、渡部眞矢、馬見塚楓花|スタイリスト:髙橋晴香|編集:小笠原風
助監督:田中麻子、泉志乃|撮影助手;竹村正成、染谷ゆら|照明助手:常本亜実、十川雅司、鳥海佳奈|録音助手:浅井隆、岸本拓之
美術助手:岸希望|制作:市原博文、永野翔、清水育美|車輌:小松豊生、中川駿、石橋和夫|撮影応援:山野淳|美術応援:陳躍
ロケ協力:青木康至|制作応援:福岡美穂、岡本夏生、maru|スチル・宣伝美術:柴崎まどか|メイキング:岩澤高雄
MA:柳田耕佑|グレーディング:木村将人|タイトルデザイン:芋生悠|クレジットデザイン:田中碧|DCP制作:荷田一隆
主題歌:佐野千明|音楽:POSA|音楽協力:ANFILMS、Tomsonboy|予告編制作:川村清人|WEB制作:石橋夕帆
プロデューサー:田中佐知彦|企画協力・配給統括:直井卓俊|配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS|宣伝協力:MAP|制作協力:Ippo
製作:映画「左様なら」製作委員会